飼い主のいない猫活動レポート
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2014年09月02日

定ニャンの会&わさびちゃんファミリー猫里親譲渡会のご報告

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8月31日(日)、札幌市南区定山渓を中心に地域猫活動をされている
『定ニャンの会』さまが、わさびちゃんファミリーと開催された第1回目の
猫の譲渡会の取材に行って来ました。

定山渓の猫がご縁で知り合った定ニャンの会とわさびちゃんファミリー☆
今回の譲渡会では、
札幌市西区で地域猫活動されている『発寒・八軒の猫の会』さまも
参加されていました☆

『定ニャンの会』さまと『発寒・八軒の猫の会』さまは、
地域の野良猫たちの不妊手術や新しい飼い主探しなどの地域猫活動をされていますが、
当会の『飼い主のいない猫基金』も利用され、多くの野良猫に不妊手術を施し、
TNRで行き場のない猫を増やさないよう尽力されています。





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譲渡会の会場の南沢福祉会館です。

野良猫を快く思われない方はどこの地域にもいらっしゃいますが、
ここ南沢は野良猫を温かく見守ってくださる心優しい方が多い地域だそうです☆

今回の保護された野良猫の里親譲渡会では、
参加猫23匹中、10匹の仮決定、写真参加猫14匹中、5匹の予約、
計15匹が幸せの切符を手にしました☆





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猫の感染症は人により媒介されることもあります。
会場の入口には消毒液が用意され、来場された方々に手指の消毒をしていただき、
猫たちの健康管理にも気をつけていらっしゃいました。





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定山渓の思い出の猫たち。
定ニャンの会さまの地域猫の歴史です。





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今回の譲渡会には成猫たちも参加する予定でしたが、
ケージに入らないなどストライキを起こす子もいて^^;子猫のみの参加となりました。





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わさびちゃんファミリーからは、
4匹の兄弟子猫とオスの子猫1匹の合計5匹の子猫が参加されていました。





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子猫たちの特徴や注意していただきたいことなど記載された用紙が置かれ、
分かりやすく工夫されていました。





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会場では、テーブルにケージが置かれ、目の高さで猫たちを見ることが出来ました。





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定ニャンの会さまが保護したクッキーちゃん、推定4ヵ月のメス。

残念ながら出会いはありませんでしたが、預かりさんのお宅ではいつでも里親募集中です☆





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カワサビちゃん、推定5ヵ月のメス。

幸せな出会いがありました!新しいお名前はコハクちゃんだそうです☆





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ライライちゃん、推定4ヵ月のメス。

定山渓にお住いの方のお宅で保護されています。

残念ながら出会いはありませんでしたが、お宅ではいつでも里親募集中です☆





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この子たちは早々に飼い主さまが決まりました!

どの子も可愛らしいシュシュやバンダナ、リボンなどでおめかししていました☆

活動されている皆さんの温かさや猫たちに寄せる思いを感じました。





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きょうだいで仲良く身体を舐めあっている姿を見ると、温かい気持ちになりました。

猫は単独で行動してマイペースとよく言われますが、
仲間を心配し思いやったり、かばおうとしたりする光景を見たり、お話を伺うことは多く、
猫たちにも人と同じ感情を持ち行動に繋がると感心させられます。





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『発寒・八軒の猫の会』さまの子猫たちは5匹参加されて2匹に出会いがありました!

発寒、八軒地域の野良猫は黒猫や茶トラが多いそうです。


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もと3兄弟でしたが、残念ながら1匹は捕獲できず運命の分かれ目になってしまいました。

今後捕獲でき、新たな出会いが生まれるといいですね。





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参加した猫たちは、全匹診察治療、検便駆虫、レボリューション等を終えた子もいました。

また、推定2ヵ月以上の子は混合ワクチン接種をし、血液検査済みの子もいました。





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残念ながら、全国的に譲渡会での里親詐欺事件は後を絶たません。

飼い主を希望された方には、細やかな面談や、後日の引き渡しになること、
譲渡誓約書にサインをして、ご了承いただいていました。

今日お気に入りの猫に出会えなくても、
ご希望の猫が保護された時のお声かけに、お名前等登録させていただくなど、
一匹でも多くの野良猫に出会いが生まれるよう一生懸命フォローをされていました。

今回の譲渡会では、野良猫が可哀想だから引き取りたいと仰る方や、
先住猫は、保健所で引取りした猫や野良猫と仰る方が多くいらしたそうで、
野良猫に対する理解が徐々に進んでいるように感じました。




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会場では、小学館さまの『ありがとう!わさびちゃん』、
続編『わさびちゃんちの一味ちゃん』が並んでいました。

わさびちゃんは、昨年6月路上でカラスに襲われていたところを助けられた子猫で、
当時生後2〜3週齢でした。

助けてくださったお父さん、お母さんの家族になったわさびちゃん。

その後、お母さんのツィッターのアカウントが評判になりました。

わさびちゃんは、手厚い介護により怪我の経過も順調でしたが、
7月てんかんと思われる発作に見舞われ、残念ながら、8月27日突然虹の橋へと旅立ちました。

悲しみに沈んでいたお父さん、お母さんのもとにやってきたのは一味ちゃん。

わさびちゃんの生まれ変わりと思えるほどそっくりな一味ちゃんは、
保健所行きのところを救われ、お父さん、お母さん、
ゴールデンレトリバーのぽんずちゃんの愛情に育まれてスクスク成長しています。

「命を大切に、家族を捨てないで」というわさびちゃんのメッセージは受け継がれています。





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用意された書籍は小学館さまが寄贈され、お買い上げされた方が募金という形で
定ニャンの会さまにご寄付くださったそうです。





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会場にいらしていたライターの方に伺いましたが、
わさびちゃんの亡くなった8月27日に合わせ、
野良猫の不妊手術を100匹限定で行うキャンペーンが
東京杉並区のハナ動物病院で行われました。

『わさびちゃんからの贈り物』の予約受付は終了いたしましたが、
キャンペーンの内容は以下となっていました。

〜野良猫・保護猫の避妊手術無料提供キャンペーン〜

この度、『ありがとう!わさびちゃん』、続編『わさびちゃんちの一味ちゃん』
(ともに小学館刊)の売上からの寄贈で、飼い主のいない野良猫・保護猫の
避妊手術無料提供キャンペーンを、
ハナ動物病院の野良猫手術専門病院(以下、分院)にて開催することになりました。

昨年6月に路上でカラスに襲われているところを「父さん・母さん」に救出され、
一命をとりとめた子猫のわさびちゃん。

わさびちゃんは残念ながらその後、亡くなってしまいました。
しかし、父さん・母さんの献身的な介護を受けて、
懸命に生きようとするわさびちゃんの物語を綴った書籍『ありがとう!わさびちゃん』と、
その続編『わさびちゃんちの一味ちゃん』は、多くの人々の感動を呼びました。

わさびちゃんのようなつらい思いをする猫が少しでも減ることを願って、
【わさびちゃんからの贈り物】として、今回のキャンペーンを実施いたします。

※受け付けは終了いたしました。

ハナ動物病院HP
http://www.hana-ah.com/index.html



地域の皆様もお手伝いくださり、また東京から小学館の編集者の方や
ライターの方もお見えになり、多くの皆様の善意に支えられた第1回目の里親譲渡会☆

たくさんの方に支えていただいた譲渡会は無事に終了されました。

『定ニャンの会』さま、『わさびちゃんファミリー』、
ご縁がきっかけで参加された『発寒・八軒の猫の会』さま本当にお疲れさまでした!




━━━ TNRとは?

Trap-Neuter-Return Programは頭文字を取ってTNRと略され、
世界の野良猫サイトで共通して出てくる言葉で野良猫問題の推奨される解決方法です。

・Trap:トラップ(捕獲器)で野良猫を捕獲すること      

・Neuter :ニューター(不妊手術のこと)

・Return:リターン(元の居住場所に戻してやること)Releaseが使われることもあります

つまり、捕獲器で猫を捕まえて、避妊・去勢手術を施し、元いた居住場所に戻すことを言います。

また『地域猫』は、野良猫の問題を地域から排除して解決するのではなく、
人間の生活環境を考慮しながらも、
その地域で野良猫が共生できるよう妥協点を探す考えから生まれました。

北海道ではまだ認知度は高くありませんが、都市圏では盛んにTNRが行われ、
東京都千代田区や町田市のように殺処分がゼロになった自治体もあります。

地域から飼い主のいない不幸な猫を減少させ、一代限りの生を全うさせる解決方法なのです。

『野良猫』が『地域猫』になり、
やがては『家庭猫』になって温かな家族が出来ることが一番嬉しいことです。


以下のページも合わせてご覧ください★

━━━ 飼い主のいない猫『飼い主のいない猫基金』
http://shippo.or.jp/noranekotoinoti.html



━━━ 飼い主のいない猫活動レポート
http://shippo-nora.seesaa.net/





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2014年08月14日

定ニャンの会同行レポート

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8月7日、週初めから振り続けた雨は4日になっても止みませんでした。

定ニャンの会様に同行の日は晴れますようにと願っていましたが、
残念ながら雨時々曇りのあいにくの恨めしい空模様でした。

午後、札幌市南区藤野の待ち合わせ場所から20分、猫たちのいる定山渓に向かいました。





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<野良猫だったクミコ>

途中、定ニャンの会様のメンバーHさん宅へ立ち寄りました。

定山渓の飼い主のいない猫たちばかりを現在9匹保護してくださっています。

クミコは避妊手術の際、先生から電話があり、
「脾臓ともう一か所から出血している。事故などで強く打ったらしい。
脾臓摘出すれば出血の心配はなくなるが野良猫だしリスクも大きいとのことで
止血剤で処置。お腹を閉じるときは新たな出血はなかった」とのこと。

定山渓は猫の交通事故が非常に多く、
冬のことを考えるとそのままリターンさせるのはしのびなく
「こういう猫こそ保護しなければ」とのHさんが自宅で保護してくださったそうです。





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< 避妊済み みゃーみゃー(3歳)とクッキー(4か月)>

みゃーみゃーが母親になってくれて別なエリア出身の子猫を
わが子のように面倒見てくれたおかげで、
クッキーが人に馴染むまで時間はかからなかったそうです。

みゃーみゃーはいつもこうしてよその子の面倒まで看てくれるそうです。





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Hさん。いつも愛情深く猫とかかわり続けてくださっています。

お部屋も掃除が行き届いて気持ちよく生活されている感じでした。





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<はなぽっち&ぼんぼりっこ姉妹(5歳)とぼんぼりっこの子供のサビ子(1歳)>

野良猫時代からいつも一緒だった3匹。

なので保護宅でも一緒にしてあげているそうです。
そうした配慮に猫たちはどれだけ救われていることでしょうか。

新しい環境にまだ慣れてないせいか、まだ固まっているそうです。





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<シャムのまるちゃん(1歳)>

隅にいるのはまるちゃんです。
横隔膜ヘルニアで避妊手術が難しいとのことで未避妊だそうです。





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リーダーのTさんの車の中には、
捕獲器2台、捕獲網4本、その他七つ道具等、いつも捕獲グッズが積んであります。

シートを倒せばキャリーに入った猫たちもたくさん入ります。





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当会代表の稲垣も一緒に記念撮影しました。
『あこがれの稲垣代表とお会いできて』と
メンバーさんのテンションが高めになったと伺いました (*^_^*)





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定山渓、ゆのまち中心街です。
雨降りでいつもの猫たちになかなか出会えないようです。

月見橋に行けば会えるかもしれませんね!





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ここはTNRに協力的な町内会です。

定ニャンの会様は、町内会から支援金もいただいているそうです。

おかげでこの付近のメス猫はほとんど避妊済みになったそうです。

この仔はここでの避妊第一号のトラ母さんで、
猫たちは避妊の目印の耳カットの他に、首輪を付けて地域の方々に愛されています。

危険がないか首輪のチェックもかかせません。





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可愛がってくださるお宅の軒下では、キジトラ猫が雨宿りしていました。





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ある施設のエリア。
ここはしっぽの会の飼い主のいない猫基金の助成猫が多く、
ご寄付くださった皆様のお陰で避妊、去勢が進みました。

メスはあとこのクロちゃんだけが未避妊です。

人慣れしてるのに、なぜが捕獲出来ずにいるそうです。





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この日も捕獲トライ!みんな息をひそめて見つめてます。

いつもと様子が違う?賢い猫なのでまたもや逃げられちゃいました!!





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活動時につける定ニャンの会様の腕章で色違いもあり、
手先の器用なメンバーさんが作ってくださったそうです。

協力者の方も同じ腕章を付けて活動されているそうですが、
常識的な餌やりさんとして活動されていました。





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飼い主のいない猫を写すカメラニャンを写してます(^^)

いつも素敵な写真を撮影されています☆





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この日、用意した捕獲器をこのまま仕掛けておかれましたが、
翌日、避妊済みの猫が入っちゃってたそうです!!





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2か所に設置した猫トイレ。

しかし猫たちは川辺の自然トイレがお好きなようで未だ使用した痕跡なし。。





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国道からの近道があるのでたまに人が通ります。





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いたいた、しっぽの会が不妊手術の助成をした猫。

ここはサビ猫がいっぱいだそうです。





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地域の協力者の娘さんにすりすり。

とても人慣れしてて野良猫とは思えない猫が多いのもこのエリアの特徴です。





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二見公園。2年前までは猫でにぎやかだったそうです。

いつもこのベンチを猫が占領していたそうですが、
定ニャンの会様曰く、『猫がもっと愛されて観光に役立てるようになればいい』と思います。





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いまや二見公園のボス、名は寅吉。でも気は優しいいい仔です。





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この白黒君もオス猫。兄弟もいますがみんなオス猫です。
メス猫は保護されたり避妊されていますが、次はオス猫の番ですね。





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月見橋が工事中でした。湯管がいっぱいあります。
月見橋の猫たちは冬、ここで暖をとります。





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最近避妊したばかりのトラ母。ちょっと夏痩せしたみたいで心配です。





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月見橋シャム。
避妊手術の為に病院へ行く途中、車内で熱中症になり急きょ、
近くの動物病院へ駆け込み点滴治療をしました。

さらに、少し貧血気味なのと栄養失調気味といわれ、2日間入院。
体調整え避妊手術後月見橋へリターンしています。
月見橋猫たちは仲間の絆が強いです。





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今年最初に捕獲し避妊した白黒母さんです。
けっこうなお歳になっていると病院で手術した先生が仰ったそうですが、
毎年せっせと子供を産んでいました。





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白黒母さんが避妊手術する前に産んだ最後の子供と一緒にいます。





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定ニャンの会のメンバーさんがご家族でやっているお洒落なうどん屋さん『塩屋』。

帰りに、みんなでちょっと早い夕食をいただきました。
http://hwbb.gyao.ne.jp/shioya-kur/





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『塩屋』さんの入り口付近に定山渓猫の里親探しポスターを貼っています。

一匹決定!2匹のお見合いが決定したそうです!


最後にメンバーの方たちのお話を伺いました。
活動は困難なことの連続ですが、
「自分たちのしてきたことが間違っていなかったんだとあらためて思った」と
メンバーのお一人は仰っていました。

『これからの活動に拍車がかかりそうです』と明るく前向きな定ニャンの会様に、
こちらが勇気づけられた一日でした。

定ニャンの会様、お忙しい中、取材同行いただき本当にありがとうございましたm(__)m





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2014年07月03日

定ニャンの会活動レポートNO.5

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札幌市南区にある定山渓は、定山渓温泉があり「札幌の奥座敷」とも呼ばれています。

この地域で野良猫の保護活動をされている「定ニャンの会」さま。

先日、定山渓連合町内会の会報で「定ニャンの会」さまの活動が紹介されました☆





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<画面クリックで大きくなります>

地域猫の活動は地域住民の皆様の理解と協力がなければ、
活動を円滑に進めることは出来ません。

野良猫に避妊・去勢をし、更なる行き場のない猫を増やさないこと、
地域の野良猫に理解のある方もない方もお互いの妥協点を見つけ、
猫と共存していくことが地域猫の考え方です。

定ニャンの会さまは、地域の住民の方の理解を得るために様々な努力され、
また町内会の方もご支援やご協力をしてくださっています。

野良猫を取り巻く状況は厳しく決して楽観的なものではありませんが、
定ニャンの会さま、どうかこれからもよろしくお願いいたします。

ゆのまちねこブログ
http://blog.goo.ne.jp/mahuyunoneko



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